住宅ローンやその他ローンを組んでいる方で、もしも銀行が破綻したらローンはどうなるのだろうかと思ったことありませんか?
もしかしてローンがなくなる?!なんてことも考えたり。
もちろん銀行や信用金庫が破綻してもローンは無くなりませんが、どのようなことになるのか気になりますよね。
今回、もしもが起きたらどうなるのかを元銀行員が解説致します。
目次
銀行、信用金庫が破綻したら、今あるローンや預金はどうなる?
10代、20代の方は特に、金融機関は潰れないなんてことを思っている方も多いかと思います。
しかし、実際に1997年に北海道拓殖銀行が破綻しております。
2020年現在、国内では他に銀行が破綻したところはありませんが、経営難になり、破綻寸前まで経営不振になった銀行や信用金庫は存在しています。
こちらの滋賀大学の調査によると、1997年には148行あったのが2018年には118行にまで減少しており、破綻はしないものの経営不振で合併された銀行はあります。
一般企業よりは破綻しにくいですが、万が一破綻した時は、消費者はどのような影響があるのか知っておきましょう。
金融機関が破綻した場合にローンはどうなるのか?
まずもちろんですが、返済しなくて良くなる訳ではありません。
銀行が破綻した前例は少ないのですが、実際に破綻するときには他の銀行が引き継ぎます。
そして新しい銀行に引き続き返済していくことになります。
そのため返済先の銀行が変更となることに伴う事務手続きは発生してしまいます。
預金とローンは相殺できる?
破綻したその銀行に預金を預けていたら、その預金とローンを相殺をすることができます。
その場合は、自動的に相殺される訳ではなく、こちらから相殺したい意思表示をする必要があるため、実施にそのケースになったら連絡をして下さい。
銀行が破綻した場合、預けている預金はどうなるの?
預けている預金は全額保証される預金と一部のみ保証される預金があります。
全額保証される預金
- 決済性がある
- いつでも引き出しができる預金
- 利息がない預金
この3点が全て揃っている預金が全額保証の対象です。
例えば、当座預金、決済性預金(利息なし)の口座などが当てはまります。
一円も利息がつかない代わりに、1億円だろうが10億円だろうが全額保証の対象です。
ちなみにこの預金の保証は銀行が保険として日銀に支払っています。
一部のみ保証される預金
上記の全額保証以外の預金です。
この場合、一人当たり1,000万円とその破綻までの利息分が保証されます。
これはいわゆるペイオフと言われており、対策としては利息のつかない決済性預金へ入金したり、銀行にお金を振り分けておくことが大切です。
また、1,000万円を超えた金額は残り全てなくなる訳ではなく、銀行が破綻した時点の資産を預金者に振り分けられるため少しは戻ってくる可能性があります。
そもそも銀行が破綻する可能性はあるの?
破綻する可能性は十分あります。
銀行が破綻するということは一般企業と同じく資金繰りが回らなくなってしまうケースです。
その理由として、預金者から預かっている預金をお金を必要としている個人や法人に融資をして、その利息で利益をあげています。
そこで集めた預金のうち、どのくらいの金額を融資しているかのデータとして「預貸率」で公表しています。
仮に預貸率が80%であれば、預金が1兆円あったら、8,000億円を融資しているということです。
そして、中には100%以上の預貸率がある銀行もあります。
100%以上の預貸率ってどういうこと?
みんなから集めた預金以上の金額を融資しているって、お金はどこから生み出しているの?
と思うかもしれませんが、これは銀行のビジネスモデルから成り立つことが起きています。
それは「お金=信用」ということです。
預金残高も、実際に現金を持っている訳ではなく、預金通帳に記載している数字が預金残高です。
これが信用創造ということで、銀行という信用の象徴のような機関だからこそできることであり、融資も実際に現金を手渡しする訳ではなく、
融資を実行する時は、預金通帳に融資額を振り込む(通帳に数字を印字する)ため、実際にお金を生み出している訳ではありません。
信用でお金を生み出しているのに、なぜ破綻するの?預貸率との関係は?
これも信用から発生する理由があります。
仮に預貸率が100%の銀行があったとします。
1兆円の預金を集めていたら、1兆円融資しているため、銀行の手元にお金はありません。
その代わり手元のお金を全て融資しているため、事業としてはハイリスクな商売をしているということです。
そこで預金者が生活費などで預金を引き出すことはもちろんあります。
しかし、銀行にはお金はないので、その銀行は他の銀行に短期的にお金を借りて対応しています。
だからこそ預貸率が100%以上でも破綻せずに経営ができています。
破綻する理由とは?
そこで、その銀行に風評が流れて、勝手に経営がヤバイなんて噂が流れたとします。
そうすると、預金者はあの銀行は経営がヤバイから預けている預金を全部引き上げようとして、全額出金します。
この噂が広まり、多くの預金者が出金しようとすると、銀行も流石に一度に出勤するほどの対応ができず、負の連鎖が始まり破綻に繋がるということが起きます。
そしてこれは実際に起きて、破綻しかけた銀行も存在するため、信用がとても大事だということがわかります。
最後に
今回は銀行、信用金庫が万が一破綻した場合やその起こりうる理由について解説しました。
金融機能の崩壊は経済に大きな影響があるため、簡単には破綻はしないと考えられますが、銀行もビジネスモデルの転換を求められている時期です。
何も変革しない銀行は淘汰されるかと思うため、預金をしている私たちも人ごとではありません。
最悪の事態も想定しておきましょう。
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経済博士

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